自毛植毛のFUT法とFUE法の違い

2016/11/14

自毛植毛のFUT法とFUE法の違い

この記事では、自毛植毛の治療法であるFUT法とFUE法の違いに解説したいと思います。

メスを使うFUT法、メスを使わないFUE法、それぞれにメリット・デメリットがありますので、詳しくし見ていきましょう。

 

自毛植毛のFUT法について

自毛植毛のFUT法について

メスを使って毛根を皮膚ごと切り取る自毛植毛をFUT法(Follicular Unit Transplantation)と呼び、植毛先進国の欧米で積極的に実施されている方法の一つです。

世界的に標準な自毛植毛の手術となっており、後頭部や側頭部のドナーとなりうる部分の皮膚をメスで切り取り、髪の毛を採取して脱毛した部分に植えつけていきます。

FUT法はクリニックによっては「ストリップ法」とも呼ばれており、後頭部をメスで切り取るので縫合手術が絶対に必要なのです。

そのため、「メスで頭皮を傷付けるのが嫌だ」「縫合するのが怖い」と考えている方は、FUT法による自毛植毛ではなくメスを使わない方法を選択した方が良いかもしれません。

FUT法の簡単な流れは、「後頭部からドナーを採取する」⇒「採取したヘアを株分けする」⇒「薄毛部分に移植する」となり、1995年にリマー(B.Limmer)らが提唱した方法が現代でも採用されております。

誰もが「メスを使わない自毛植毛の方が良いに決まっている」と考えるかもしれませんが、FUT法は「自然な仕上がりが得られる」「手術費用が安い」「移植できる本数が多い」というメリットがあるのです。

それに、現代では医師の技術力も格段にアップしておりますし、どのクリニックで自毛植毛を受けても傷跡が目立つような心配はなくなりました。

傷跡を目立たなくするためのトリコフィティック縫合法を採用している医療機関でもあります。

さて、FUT法は熟練した医師による高い技術が求められるため、限られたクリニックでしか受けられないという特徴があります。

つまり、FUT法による自毛植毛を実施しているだけでもレベルの高いクリニックだと把握でき、満足のいく薄毛治療を行ってくれるはずです。

どうしてもメスを使う手術を避けたい方は、FUT法とメスを使わないFUE法の両方を取り入れているクリニックを探し、相談してみるのが良いのではないでしょうか。

効果的な治療だと考えられているメスを使わないFUE法は、パンチで毛根をくり抜く際に傷付けてしまう可能性があり、貴重なドナーが無駄になるドナーロス現象が生じることがあります。

1,000グラフトを超えるような大量の植毛を考えている場合、FUE法ではドナーが無駄になるかもしれないので、FUT法の方が適しているのです。

FUT法であれば、「ドナーの採取」「株分け」「植え付け」の全てを手作業で行うため、定着率が95%を超えるという利点があります。

個人の薄毛の状態によって手術方法を変えるのが一番なので、信頼できるクリニックを探して相談してみてください。

 

自毛植毛のFUE法について

自毛植毛のFUE法について

メスを使わずに手術を行う自毛植毛のことをFUE法(Follicular Unit Extraction)と呼び、頭皮を傷付けることなく毛根を脱毛した部分に移植できます。

専用の機械を使って毛包を採取するだけなので安全性が非常に高く、吸引したドナー部分は数日で塞がるので目立つことはありません。

「切らない自毛植毛を望んでいる」「頭皮の皮膚が張っていてメスで切り取ることができない」という患者さんに、FUE法による自毛植毛は適しています。

「切る」という最も不安な要素を取り除いているところが一番のメリットですし、極細のピンセットを使って熟練の技術で移植していくので施術中に痛みを感じることはないのです。

実際に、多くの自毛植毛を実施しているクリニックでFUE法が活用されており、現代の治療について欠かせない方法の一つとなりました。

大量の本数を移植するメガセッションに対応しているクリニックも徐々に増え始め、一度の手術で1,600株~4,000株(4,000本~10,000本)を植え込むことも可能です。

つまり、AGAの症状が進行して広範囲に渡る薄毛で悩まされている男性でも、FUE法による自毛植毛を受けることができます。

現在、国内では多くのクリニックで切らない自毛植毛のFUE法が実施されており、自然な仕上がりも十分に可能です。

「グラフトの採取」⇒「移植ホールの作成」⇒「株の移植」⇒「毛髪の生着」という流れで治療が実施され、傷跡を目立たせずに処置を施せます。

 

FUE法は傷跡が残らない?

さて、メスを使わずに手術を行うFUE法でも、傷跡が全く形成されないというわけではありません。

頭皮に穴をあけてドナーを採取していくため、植えた部分に小さな赤みやかさぶたが形成される可能性があります。

とは言え、術後しばらく経てば自然と消えていきますし、かさぶたが剥がれると同時に髪の毛が抜けても自然な現象の一つなので、神経質になる必要はないのです。

「メスを使う自毛植毛よりも圧倒的にFUE法が優れている」と考えている男性はいらっしゃいますが、この手術にもデメリットがあります。

それは、毛根を採取する際にパンチを使って盲目的にくりぬいていくため、毛根が傷付くドナーロスと呼ばれる現象が引き起こされやすいのです。

※近年、アイランドタワークリニックではドナーロスが起こりづらいi-directというFUE法が開発されました。

 

>>> アイランドタワークリニックの公式サイト

 

ドナーロスとなった場合、頭皮に植えつけても定着することはないため、自分の大切な髪の毛を無駄にしやすいですし、大量の植毛を考えている方はメスを使う自毛植毛が適している場合もあります。

それに、FUE法の方が手術費用がかさみやすいという特徴もあるので、事前に医師と相談してどちらが自分に適しているのかゆっくりと考えてみてください。

 

FUT法でもトリコフィティック縫合法であれば傷跡は残りにくい

  • FUE法による自毛植毛は傷跡が残らない
  • FUT法による自毛植毛は傷跡のリスクが高い

このようにイメージしている方は少なくありません。

確かに、メスを使うかどうかで頭皮へのダメージの具合が変わるのは紛れもない事実ですが、FUT法でもトリコフィティック縫合法であれば傷跡は残りにくくなっています。

トリコフィティック縫合法はドナー株の採取部分を縫合する際の最新技術で、限られた医療機関でしか取り入れられていません。

代表的な医療機関は紀尾井町クリニックで、下縁の表皮を削った後に上縁の表皮を被せるような形で縫合する高度な技術なのでどこを縫ったのか分からないくらいに完治するのです。

定着率の高さでFUT法による自毛植毛を選択したいという方は、トリコフィティック縫合法を取り入れているクリニックを探してみてください。

-自毛植毛の基礎知識