円形脱毛症の治療として自毛植毛が適さない理由

2018/09/16

円形脱毛症とはどのような症状?

円形脱毛症とはどのような症状?

「髪の毛が薄くなる」「薄毛が進行する」と一口に言っても、引き起こされる病気には幾つかの種類があります。

その一つが円形脱毛症で、AGA(男性型脱毛症)や脂漏性脱毛症とは違って症状にどのような特徴があるのか見ていきましょう。

  • 円形や楕円形の脱毛斑が頭皮に発生する
  • 1つのこともあれば複数個に渡ってできることもある
  • 何の兆候もなく突然脱毛が始まる
  • 一部分に髪の毛が全てなくなって頭皮の地肌が見える

何の前触れもなく突然脱毛斑ができるケースも多く、ゆっくりと症状が進行していくAGAとの違いは分かりますよね。

最初は1ヵ所に形成される単発型や、複数箇所に形成される多発型の円形脱毛症など症状は軽くなっています。

しかし、症状の進行によって後頭部から側頭部の生え際に沿って広がる蛇行型、眉毛やまつ毛も失われる汎発(ばんぱつ)型の円形脱毛症に進行するケースもありますので、「自然と良くなるだろう」と放置するのは危険です。

 

円形脱毛症が引き起こされる原因やメカニズムをまとめてみた

まだ完全には解明されていないものの、円形脱毛症は次のような原因で引き起こされるのではないかと考えられています。

  1. 精神的なストレスを受けて自己免疫機能が崩れる
  2. 免疫機能を持つ白血球の一種のリンパ球が本来の働きを失う
  3. 自分の正常な毛包組織へと攻撃する
  4. 毛髪がダメージを受けて抜け落ちる

精神的なストレスによる自己免疫疾患で正常な細胞がダメージを受けて、抜け毛や薄毛に繋がるのが円形脱毛症のメカニズムです。

毛母細胞の寿命は残っていますし、円形脱毛症が完治すれば脱毛斑からは再び正常な髪の毛が生えてきますので、絶対に治らないわけではありません。

それでも、根本的な原因である自己免疫疾患を改善しなければ、髪の毛が失われた状態が続いて酷い状態に進行しやすいと考えておいた方が良いでしょう。

 

円形脱毛症の治療として自毛植毛が適さない理由をチェック!

円形脱毛症の治療として自毛植毛が適さない理由をチェック

「円形脱毛症で頭皮の一部分の髪の毛を失ったとしても、自毛植毛を受ければ解決する」とイメージしている方は少なくありません。

確かに、自毛植毛は基本的に年齢に関わらず受けられる薄毛手術ですので、以下のような流れで見た目の印象を変えることは可能ですよ。

  1. 円形脱毛症を発症して頭頂部の一部分がハゲて地肌が見えてしまった
  2. 自毛植毛をクリニックで受けて後頭部からドナーとなる毛包を採取する
  3. ハゲてしまった場所へと植え付けて、一度髪の毛が抜け落ちる
  4. 一定期間が経過した後に元気な髪の毛が生えてくる

しかし、結論から言うと、円形脱毛症の治療として自毛植毛は適していません。

以下ではなぜ円形脱毛症の治療で自毛植毛を受けない方が良いのか、詳しい理由についてまとめてみました。

 

円形脱毛症を根本的に改善しなければ別の場所から脱毛が始まる

AGAが頭頂部や前頭部など決まった場所に引き起こされるのに対して、円形脱毛症は後頭部や側頭部など頭皮の様々な場所が対象になるのが特徴です。

つまり、頭頂部の脱毛斑を自毛植毛で植え付けて見た目のイメージを良くできても、円形脱毛症自体を根本的に改善しなければ別の場所から脱毛が始まってしまいます。

  • 自毛植毛を受けて頭頂部の薄毛を克服できた
  • 円形脱毛症の治療自体は特に行っていない
  • 今度は前頭部へと脱毛斑が生じるようになった
  • また高額な費用を支払って自毛植毛を受けなければならない

上記のようにいたちごっこのような状態になりやすいため、円形脱毛症の治療として自毛植毛は適さないと心得ておいた方が良いでしょう。

 

自毛植毛で植えた髪の毛自体が攻撃対象になる

髪の毛が攻撃される

自毛植毛を受けて薄毛部分の髪の毛を復活させられたとしても、円形脱毛症で植えた髪の毛が攻撃対象になれば意味がありませんよね。

円形脱毛症が頭皮のどの部分の毛包を攻撃するのかは特に決まっていないため、「頭頂部」⇒「頭頂部」など同じ場所に引き起こされる可能性は十分にあります。

せっかく自毛植毛で毛包を移植しても抜け落ちてしまっては意味がないので、まずは円形脱毛症の治療で自己免疫疾患を改善することから始めるべきです。

この点に関しては自毛植毛だけではなく、次のような特徴を持つ人工毛植毛にも同じように該当します。

  • ナイロンやポリエステルで作られた人工毛を植え付ける
  • 本数に制限がなく好きなだけ頭皮へと移植ができる
  • 手術をした当日にフサフサの髪の毛を手に入れられる

自分の細胞よりも異物レベルが高い人工毛は尚更攻撃対象となりやすいため、円形脱毛症の根本的な治療に繋がらない理由はお分かり頂けるでしょう。

それに加えて、人工毛植毛で植え付ける髪の毛は耐久性が低く、数年後に抜け落ちてしまうリスクがありますので注意が必要です。

※自毛植毛と人工毛植毛の耐久性の違いについては下記のページで詳しく説明しています。

 

自毛植毛と人工毛植毛の耐久性の違い

 

自毛植毛がダメならどんな方法で円形脱毛症を治療すれば良い?

様々な理由で自毛植毛は円形脱毛の治療としてNGですので、別の方法で対策しないといけません。

個人の今の症状や薄毛の進行具合によって異なるものの、皮膚科を中心とする病院でどのような治療が実施されているのかまとめてみました。

  • ステロイドやセファランチンなど炎症を抑えたり血流を促したりする内服薬を服用する
  • 塩化カルプロニウムやステロイドなど頭皮の外側から外用薬を塗布する
  • 免疫機能や炎症を抑える目的で脱毛斑へと直接ステロイド局所注射を行う
  • スクアレン酸ジブチルエステルやジフェニルシクロプロペノンなど、人工的に頭皮へとかぶれを起こして発毛を促す局所免疫療法を受ける
  • ナローバンドUVBやエキシマレーザーなど皮膚病にも使われる紫外線療法を受ける
  • 皮膚の深い部分まで届く赤外線を照射し、全身の血行を良くして発毛を促す直線偏光近赤外線照射療法(スーパーライザー療法)を受ける

投薬療法で良いのか紫外線療法など専門的な処置を受けるのか、全ての判断は担当の医師に任せる形ですね。

どちらにしてもセルフケアで何とかするのは難しいので、まずはかかりつけの医師へと相談してみてください。

 

円形脱毛症の治療後に自毛植毛を受けるのはOK!

自毛植毛は円形脱毛症の根本的な改善に繋がらなくても、完治した後に受けるのは選択肢の一つですよ。

初期の単発型の円形脱毛症には、次のような特徴があります。

  • 頭皮には1ヵ所や2ヵ所の脱毛斑しか生じないので症状が軽い
  • 医薬品による治療を受けなくても自然と回復する場合がある
  • 正しいケアをしていれば早期に回復へと向かっていく

症状の悪化には繋がりにくいのであまり神経質になって考えなくても良いのですが、頭皮がダメージを受けて脱毛した場所から新しい髪の毛が生えないケースも少なくありません。

そんな時に自毛植毛が大いに役立ち、後頭部や側頭部など別の部分からドナーを採取して植え付ければ良いのです。

当サイトのトップページでは信頼のおける自毛植毛クリニックを紹介していますので、選び方の参考にしてみてくださいね。

 

参考 自毛植毛の費用、全10クリニックを徹底比較!

 

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